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妊活・不妊

妊活のストレスは妊娠に影響する?ためない方法と相談先

公開 約13分で読めますかぞくる編集部

妊活中に「毎月の結果に一喜一憂して疲れた」「ストレスを感じること自体がよくない気がして、さらに焦る」と感じていませんか。妊活のストレスは、結果が出ない周期のくり返しや通院、周りの言葉など、いくつもの場面から積み重なる、とても自然なものです。

そして、ストレスと妊娠の関係について、研究の結果は一貫していません。「ストレスのせいで妊娠しない」と言い切れる根拠はなく、あなたが自分を責める必要はありません。この記事では、妊活のストレスがたまる場面、ストレスと妊娠の関係、男性側や仕事とのストレス、ためない工夫、相談先を、公的な情報をもとにお伝えします。

この記事でわかること

  • 妊活でストレスがたまりやすい場面と、その理由
  • 妊活のストレスは妊娠に影響するのか、研究でわかっていること・わかっていないこと
  • 男性側にもある妊活のストレスと、仕事との両立で起きやすい負担
  • 妊活のストレスをためない工夫と、ふたりで話すときの言い方の例
  • ひとりで抱えないための相談先

妊活のストレスは、なぜたまりやすいのか

妊活のストレスは、「気持ちが弱いから」ではなく、状況そのものが負担になりやすいために起こります。ここでは、よくある場面を整理します。

結果を待つ時間とくり返しの疲れ

妊活では、排卵日の予測、タイミング、結果を待つ期間、そして生理や検査結果での区切りが、毎月のようにめぐってきます。期待と落胆をくり返すうちに、気持ちが疲れてしまうのは自然なことです。

たとえば次のような状態は、多くの人が経験するものです。

  • 生理が来るたびに、強く落ち込む
  • 結果が出るまでの数日間、何も手につかない
  • 基礎体温や検査薬の数字が、一日の気分を左右する

通院や検査の負担

不妊の検査や治療が始まると、通院の時間、待ち時間、からだの負担、結果を聞く緊張が加わります。治療に入っていなくても、「検査を受けたほうがいいのかな」と迷うこと自体が、心の負担になることがあります。

ここでは、「妊活全体のストレス」のひとつとして、通院や検査が負担になりやすいことだけ押さえておいてください。治療そのもののつらさは、不妊治療がつらいの記事で詳しく扱っています。

周囲の言葉やSNSでの比べやすさ

「まだなの?」「リラックスすればできるよ」といった何気ない言葉や、SNSで目に入る妊娠報告が、思いのほか心に残ることがあります。悪気のない言葉ほど、受け取る側は傷つきやすく、言い返せないぶんストレスがたまります。

「やれることは全部やらなきゃ」という気持ち

食事、運動、冷え対策、サプリメント、生活リズム。情報があふれるなかで、「やっていないことがあると、妊娠できないのでは」と感じ、すべてを完璧にこなそうとして疲れてしまう人もいます。取り組みが増えるほど、うまくいかなかったときの自責も大きくなりやすい点に注意が必要です。

また、好きなものを我慢しすぎたり、生活を厳しく縛りすぎたりすることも、それ自体が心の負担になります。何をどこまで見直すかは、医師の説明も参考にしながら、続けられる範囲で決めてかまいません。ふたりの温度差が気になるときは、妊活の温度差の記事も参考にしてください。

妊活のストレスは妊娠に影響する?研究でわかっていること

「ストレスは妊娠に悪いの?」は、多くの人が気になる点です。結論から言うと、研究の結果は一貫しておらず、「ストレスが原因で妊娠しない」と断定できる状況ではありません。

妊活のストレスの影響は「あるかもしれないが、小さく、はっきりしない」

2018年に『American Journal of Epidemiology』に発表された研究(Wesselink らによる、アメリカとカナダの妊娠を計画する4,769組のカップルを対象にした調査)では、妊娠前の「感じているストレス」の強さと、妊娠のしやすさとの関係が調べられました。

この研究では、女性のストレスの点数が高いグループで、妊娠のしやすさがわずかに低い傾向がみられました。ただし、統計的にははっきりした差とは言い切れない範囲で、男性のストレスの点数は、妊娠のしやすさと大きな関連がみられませんでした。つまり、「ストレスが高いと必ず妊娠しにくい」という結果ではありません。

研究は、立場や方法によって結果が分かれる

ストレスの測り方(アンケート、ホルモンの数値など)や、調べる対象(一般のカップル、治療中の人)、期間が研究ごとに違うため、結果がそろいにくいのが現状です。また、「妊娠しないからストレスが増える」という逆向きの関係も十分に考えられ、どちらが原因なのかを分けて調べるのは簡単ではありません。

だからこそ、ストレスを感じている自分を責めたり、「リラックスしなきゃ」と無理に気持ちを切り替えようとしたりする必要はありません。

それでもストレスを軽くすることに意味がある理由

ストレスが妊娠に影響するかどうかとは別に、妊活中のつらさを軽くすることには意味があります。毎日の生活が楽になり、ふたりの関係や治療の続け方を落ち着いて考えやすくなるからです。

不妊に悩む人への心理的なサポートの効果をまとめた2023年の研究(『Human Reproduction Update』、58件のランダム化比較試験の分析)では、気持ちのつらさがやわらぐ小さな効果と、妊娠率へのわずかな効果が報告されています。ただし、研究の質は高くなく、評価は「低〜中程度」とされています。妊娠のための手段としてではなく、「自分の心を守るため」に、サポートを使ってよいのです。

妊活のストレスと男性:夫側にもある負担

妊活のストレスは、女性だけのものではありません。男性側にも、あまり目に見えにくい負担があります。ここでは、男性側の負担そのものを見ていきます。

妊活のストレスは男性にもあるのか

男性不妊と心理的なストレスの関係を調べた、デンマークの2020年の研究(『Fertility and Sterility』、精液の質が低下していた男性を含む423人の調査)では、直近3か月に強い出来事を経験した割合は、不妊のカップルの男性のほうが多い結果でした。一方で、ストレスの症状そのものには、グループ間の差はみられませんでした。ストレスと精液の質との関係は、この研究では確認されていません。

男性のストレスが精子に影響するかどうかについても、研究はまだ一貫していません。「あなたのストレスが原因」と、どちらかが相手を責める根拠にはならないことを、ふたりで確認しておくと安心です。

タイミング法のプレッシャー

排卵日に合わせることが重なると、性生活が「予定された作業」のように感じられ、うまくいかなかったときの落ち込みも大きくなりがちです。たとえば、次のような気持ちが重なることがあります。

  • 「今日がその日」と言われると、緊張して気持ちが向かない
  • 失敗したら、パートナーを落胆させてしまうと感じる
  • 自分の体の反応が思うようにならず、自信をなくす

こうした反応は、特別なことではありません。責任を感じすぎず、「予定どおりにいかない日もある」とふたりで受け止めておくと、プレッシャーが和らぐことがあります。

検査や結果を待つ時間の負担

精液検査は、検査のための準備や場所、結果の数字への不安など、男性にとって心理的な負担になることがあります。結果が悪かった場合、「男としての自信を失った」と感じる人もいます。結果の意味や、再検査が必要かどうかは、必ず医師に確認してください。数字だけで、ふたりの将来が決まるわけではありません。

「つらい」と言いにくいから、見えにくくなる

男性は、「自分が弱音を吐いては相手に負担をかける」と考えて、ひとりで抱えてしまうことがあります。その結果、周りからは「平気そう」「関心がなさそう」に見えてしまうこともあります。実際には、黙っているだけで同じようにストレスを感じている場合もあります。

妊活のストレスと仕事:両立がつらいとき

仕事と妊活の両立は、時間のやりくりだけでなく、気持ちの面でも負担になります。

仕事と通院の調整が負担になる理由

通院は、排卵や周期に合わせて急に決まることが多く、仕事の予定と合わせにくい面があります。「また休むのか」と思われないかという不安や、事情を職場に説明しにくい気持ちが、ストレスを大きくします。

日本労働政策研究・研修機構(JILPT)が2026年2月に公表した分析(厚生労働省「国民生活基礎調査」の2010〜2022年の調査を使った研究)では、不妊治療を受けながら働く女性のうち、正社員などで一定の時間以上働く人に、仕事のストレスや強い心理的苦痛が目立つ傾向がみられました。ただし、この結果は「関連がある」というもので、原因を断定するものではありません。

休職を考える前に、相談できること

仕事がつらくて「休むしかないのでは」と思い詰める前に、産業医、人事・総務、信頼できる上司に相談できることがあります。働き方の調整は、話してみて初めて選択肢が見えてくることも少なくありません。

職場への伝え方の例

事情をどこまで話すかは、あなたが決めてよいことです。話す場合は、「必要な配慮」を中心に伝えると、相手も対応しやすくなります。

  • たとえば「通院が必要な時期があり、急に半日お休みをいただくことがあるかもしれません」と伝えてみる
  • たとえば「詳しい内容は控えたいのですが、体調管理のために通院しています」と伝えてみる
  • たとえば「調整できる範囲は、前もってお伝えするようにします」と伝えてみる

使える仕組みやツールを知っておく

厚生労働省は、不妊治療と仕事の両立のために、本人・上司・同僚向けのハンドブックや、主治医・本人・職場のやり取りを助ける「不妊治療連絡カード」を公開しています。制度の詳しい解説はここでは省きますが、職場に相談するときの手がかりとして、一度目を通しておくと役立ちます。

妊活のストレスをためない方法

ストレスを「ゼロ」にするのは難しいため、「ためすぎない」「逃がす道をつくる」ことを目標にするのが現実的です。

ひとりでできるストレスのためない工夫

  • 「妊娠によいこと」の数を増やすより、続けられることを少数に絞る
  • 結果を待つ期間は、予定を入れる日や考えない時間を、先に決めておく
  • 基礎体温や検査薬など、数字を見る回数に上限をつくる
  • SNSや情報サイトを見る時間帯を決め、つらい日は離れる
  • 眠る・食べる・動くといった基本の生活を、無理のない範囲で整える
  • 睡眠時間をできるだけ確保し、散歩やストレッチなどの軽い運動を取り入れる(がんばりすぎない程度で十分です)
  • 気持ちを紙に書き出し、「今、何がいちばんつらいか」を言葉にしてみる

どれも「やらなければ」と思うと、新しい負担になります。ひとつだけ選んで、うまくいかなくても気にしない、くらいがちょうどよいです。

ふたりでできる工夫

妊活の話を、いつも「結果」や「次の予定」の話にしない時間をつくるだけで、気持ちが休まることがあります。話し方の例です。

  • たとえば「今日は妊活の話をしない夜にしない?」と提案してみる
  • たとえば「今月は結果のことより、お互いが疲れていないかを話したい」と伝えてみる
  • たとえば「責めたいわけじゃなくて、不安を聞いてほしいだけなんだ」と伝えてみる

聞く側は、アドバイスや励ましより先に、「そうか、そう感じていたんだね」と受け止めるだけで十分なことが多いです。

「ためない」ことに疲れたとき

「ストレスをためないようにしなきゃ」と思うこと自体が、重荷になる場合があります。そんなときは、完璧にこなせなくても問題ありません。休むことも妊活の一部と考え、ふたりで「今月はお休みの月」と決める選択もあります。選び方に正解はなく、どれを選ぶべきかは、ふたりの状況によって変わります。

妊活のストレスで、ひとりで抱えないための相談先

つらさが続くときは、早めに相談できる場所があります。

不妊専門相談センター

都道府県・指定都市・中核市に設置されている窓口で、不妊に悩む人が、身体的・心理的な問題について相談できます。厚生労働省の調査報告のページでも、その役割が紹介されています。電話や面接で相談できる自治体もあるため、お住まいの自治体の案内を確認してください。

自治体の保健センター・こども家庭センター

市区町村の保健センターや、こども家庭センター(旧・子育て世代包括支援センター)でも、保健師などに気持ちの相談ができる場合があります。

カップルカウンセリング・心理の専門家

気持ちの整理や、ふたりの話し方に悩んでいるときは、カップルカウンセリングや、心理の専門家に相談する方法があります。診断や治療ではなく、気持ちを言葉にして整理する場として使えます。

医療機関に相談したほうがよいサイン

次のような状態が2週間ほど続くときは、がまんせず、心療内科・精神科・婦人科などの医療機関や、自治体の窓口に相談してください。妊活中の落ち込みは「妊活うつ」と呼ばれることもありますが、これは俗称で、診断名ではありません。ここに書いたことも診断ではなく、受診を考える目安です。

  • 気分の落ち込みが続く
  • 眠れない、または寝すぎてしまう日が続く
  • 食欲が大きく変わった
  • 何をしても楽しめず、涙が止まらない日が続く
  • 仕事や家事が手につかない

いますぐ助けが必要なとき

「消えてしまいたい」「死にたい」といった気持ちが強いときは、ひとりで耐えずに、すぐに相談してください。厚生労働省の「まもろうよ こころ」では、電話やSNS・チャットで相談できる窓口を紹介しています。命の危険を感じるときは、119番や110番にもためらわず連絡してください。

よくある質問

Q. 妊活のストレスは、妊娠に影響しますか。

研究の結果は一貫しておらず、「ストレスが原因で妊娠しない」とは断定できません。北米の4,769組を調べた2018年の研究でも、女性のストレスが高いグループで妊娠のしやすさがわずかに低い傾向はありましたが、はっきりした差とは言い切れず、男性のストレスとの大きな関連はみられませんでした。

Q. 妊活のストレスで排卵が遅れたり、生理が乱れたりしますか。

ストレスと排卵・月経の関係は一律には言えず、この記事で確認できた一次情報では断定できませんでした。周期の乱れが続くときは、ストレスのせいと決めつけず、産婦人科で相談してください。

Q. 妊活のストレスは、男性にもありますか。

あります。タイミング法のプレッシャー、検査や結果への不安、「つらい」と言いにくい気持ちなどから、ストレスを抱える男性もいます。見た目の様子だけでは、気持ちはわかりません。

Q. 仕事が忙しくて妊活のストレスがたまります。どうしたらいいですか。

通院と仕事の調整は負担が大きいため、まず「必要な配慮」を絞って職場に伝えられるか、考えてみてください。厚生労働省の両立支援のツール(連絡カードなど)が手がかりになります。

Q. 妊活のストレスをためない方法は、何から始めればよいですか。

まずは「数字を見る回数に上限をつくる」「妊活の話をしない夜をつくる」など、ひとつだけ選ぶ方法がおすすめです。うまくいかない日があっても、問題ありません。

まとめ:妊活のストレスは、ひとりで抱えなくていい

  • 妊活のストレスは、結果を待つ時間、通院、周囲の言葉、仕事との両立など、状況そのものから生まれる自然な反応です
  • ストレスと妊娠の関係は、研究では一貫しておらず、「ストレスのせいで妊娠しない」と自分を責める必要はありません
  • 男性側にも妊活のストレスはあります。ためない工夫は、数字を見る回数を減らす・話さない夜をつくるなど、小さくひとつから始められます

妊活のストレスは、頑張っているからこそ生まれるものです。つらいときは、ふたりの間でも、相談窓口でも、頼って大丈夫です。

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