相談してみる
子育て

イヤイヤ期のイライラが限界のとき|夫婦でできる対応

公開 約14分で読めますかぞくる編集部

「イヤ!」の連発に、朝から晩まで付き合っていると、イライラして当たり前です。イライラしてしまう自分を責めて、さらにつらくなっていませんか。

先に結論をお伝えします。イヤイヤ期のイライラは、多くの親が経験する自然な反応で、「イライラしない」ことより「イライラしても爆発しない仕組みを、夫婦でつくる」ことが大切です。イヤイヤ期は、一般的に1歳半ごろから始まり、3〜4歳ごろに落ち着くと言われますが、個人差が大きく、その間ずっと続くわけではありません。この記事では、場面ごとの対応の例、ふたりで交代する工夫、怒鳴ってしまったあとの立て直し方、限界を感じたときの相談先をまとめます。

この記事でわかること

  • イヤイヤ期とは何か、いつまで続くと言われているのか
  • イライラしやすい場面と、その場でできる対応の例
  • イヤイヤ期のイライラを夫婦で分け合う方法と、そのまま使える言い方の例
  • 怒鳴ってしまったあとにできること
  • 限界を感じたときの相談先

イヤイヤ期とは?イライラしてしまう理由

イヤイヤ期は、子どもの自己主張が強くなる発達の一段階です。まずは、何が起きているのかを知ると、少し見え方が変わります。

イヤイヤ期は「自分でやりたい」気持ちの芽生え

イヤイヤ期は、「第一次反抗期」とも呼ばれます。自分の気持ちや「こうしたい」という思いがはっきりしてくる一方で、それを言葉でうまく伝えたり、思いどおりに体を動かしたりはまだ難しい時期です。

そのため、「自分でやりたいのにできない」「やりたくないのにやらされる」という気持ちが、「イヤ!」や泣く、寝転ぶ、といった形で出てきます。困らせようとしているわけではなく、成長の途中で起きていることです。

親がイライラしやすいのは、あなたが弱いからではありません

厚生労働省の検討会がまとめた「体罰等によらない子育てのために」(2020年2月)には、「子どもに腹が立ったり、イライラしたりすることは、子育て中の保護者の多くが経験するもの」と書かれています。イライラは、特別なことでも、親として失格というしるしでもありません。

泣き声や金切り声が続くと、それだけで神経が張りつめて苦しくなる人は少なくありません。泣き声が負担に感じられるのも、自然な反応です。

そのうえで、同じ資料では、仕事や家族関係のストレス、周囲に相談できる人がいないことなども、イライラの背景になりうると挙げています。イヤイヤ期は、子どもの要因に加えて、睡眠不足や時間の余裕のなさが重なりやすい時期です。イライラの原因が、子どもだけにあるとは限りません。妊娠中で体がつらいときや、下の子がいて手が足りないときは、とくに余裕がなくなりやすいものです。妊娠中のイライラについては、妊娠中のイライラが夫に向くときも参考にしてください。

イヤイヤ期はいつまで?目安と個人差

育児情報の解説では、イヤイヤ期は1歳半ごろに始まり、2歳前後にもっとも激しくなり、3〜4歳ごろに落ち着くとされることが多いです。言葉で気持ちを伝えられるようになり、気持ちを自分で切り替えられるようになると、少しずつおさまっていくと説明されています。2歳から2歳半ごろは、とくに「イヤ」が強く出やすい時期とされ、下の子の妊娠や出産と重なる家庭もあります。

ただし、公的な機関が「何歳まで」と決めているものではなく、半年ほどで終わる子もいれば、4〜5歳ごろまで続く子、あまり目立たない子もいます。「いつまで」と数字で区切るより、「ことばが増えるにつれて、少しずつ楽になっていく時期」ととらえておくと、気持ちの負担が軽くなります。

イヤイヤ期のイライラしやすい場面と、その場の対応の例

イライラが高まりやすい場面は、だいたい決まっています。場面ごとに「先に手を打つ」ことができると、爆発の回数を減らせます。

朝の支度・出かける前・食事・お風呂

時間に追われるときほど、「イヤ」が重なります。次のような工夫が、現実的です。

  • 時間に余裕をつくる。10分早く動き出せるだけでも、気持ちの余裕が変わります
  • 「靴を履く? サンダルにする?」のように、2つから選んでもらう
  • 「あと3回すべったらお風呂ね」など、先に見通しを伝える
  • 全部を今日やらなくていいことは、思い切って省く

厚生労働省の資料でも、子どもの「言うことを聞かない」には、「気をひきたい」「子どもなりの考えがある」「言われていることが理解できていない」「体調が悪い」などの理由があること、そして重要なことでなければ「今はそれ以上やり合わない」のも一つの方法だと書かれています。

外出先で泣いて動かない・寝転ぶ

人の目があるところでは、「早くなんとかしなきゃ」と焦って、イライラが増しやすくなります。

  • 安全な場所に移って、まず待つ。時間が許すなら、数分待つだけで落ち着くこともあります
  • 難しければ、場面を切り替える(その場を離れる、少し歩く)
  • 「いまは帰る時間だよ。悲しいね」と、気持ちを言葉にして受け止めたうえで、やることは変えない

人の視線が気になるときは、「うちの子だけではない」と思い出してください。同じ時期の親子は、どこにでもいます。

「イヤ」の理由がわからないとき

「何がイヤなのかわからない」ときも、親は消耗します。わからなくて当然です。子ども自身も、うまく説明できていません。

  • 「イヤだったんだね」と気持ちだけ受け止める
  • 眠い、おなかがすいた、疲れた、といった体の状態を確認する
  • それでも落ち着かないときは、距離を取って見守る。「大丈夫になったら、おいでね」と伝えておく

安全だけは守る

どんな場面でも、道路に飛び出す、刃物や熱いものに触れるなど、危険なことだけは止めます。厚生労働省の資料でも、道に飛び出しそうな子どもの手をつかむなど、子どもを守るための行為は体罰にあたらないとされています。

イヤイヤ期のイライラしない方法は?爆発を防ぐ小さな工夫

「イライラしない方法」を探している人が多いのですが、イライラそのものをゼロにするのは、難しいことです。ここでは、爆発に至る手前でできる工夫をまとめます。

環境を整えて、「ダメ!」を減らす

「触っちゃダメ!」と叱らなくてよい環境にすることも、イライラを減らす方法のひとつです。厚生労働省の資料でも、触られたくないものは見えないところ、届かないところにしまうなど、環境を変えることでイライラが減ることがある、と紹介されています。

  • 壊されたくないものは、最初から手の届かない場所に置く
  • 「ダメ」を言う回数が多いなら、そのルールが今本当に必要かを見直す

肯定文で、近づいて、短く伝える

大声で言うより、穏やかに近づいて、落ち着いた声で、何をしてほしいかを伝えるほうが、子どもに伝わりやすいとされています。

  • 「走らないで!」より、「ここでは歩いてね」
  • 「早くして!」より、「くつ、はこうか」
  • 離れた場所から叫ぶのではなく、子どもの近くまで行って、目線を合わせて話す

待てるときは待つ、切り替えは「場所」でする

子どもは気持ちをすぐに切り替えるのが難しいものです。時間が許すなら待つ、難しければ散歩に出るなど場面を変えて、気持ちの向きを変えてみてください。

子どもが泣いているとき、安全が確保できる場所なら、少し距離をとって見守る、親が数十秒その場を離れて落ち着く、という対応もあります。「無視」とは違い、目の届く範囲にいて、落ち着いたらすぐに受け止めることが前提です。ただし、この対応については意見が分かれており、子どもによっても合う合わないがあります。長い時間離れるのは避け、子どもが不安そうなときは近くに戻ってあげてください。

自分の体の状態を見る

イライラの原因が、子どもではなく、自分の睡眠不足や疲れ、時間のなさにあることも多いです。前述の資料では、その場合は、深呼吸をする、ゆっくり5秒数える、窓を開けて風にあたる、といった自分なりの工夫を見つけるとよい、とされています。

数秒でも子どもから目を離して深呼吸するだけで、爆発を一つ減らせることがあります。安全が確保できる場所なら、別の部屋に数十秒移るのも一つです。

睡眠不足のときは、家事を後回しにして、休むことを優先してかまいません。完璧にこなそうとせず、「今日は最低限でよい」と決める日があってもよいのです。

イヤイヤ期のイライラは限界?夫婦で分け合う方法

イライラが「限界」に近づくのは、ひとりで長い時間、対応し続けているときが多いです。ふたりで分け合えると、同じ子どもでも負担が変わります。

交代の「合図」を決めておく

限界になってから「代わって」と言うのは、お互いに難しいものです。あらかじめ、合図を決めておきます。

  • 「ちょっと息つぎ」「交代お願い」など、ひとことで伝わる言葉を決める
  • 子どもの前で責め合わずに、さっと入れ替われるようにする
  • 交代した側は、「どうしたの」と聞かず、まず引き受ける

そのまま使える言い方の例

頼むときは、責める言い方より、状況と気持ちを伝える言い方のほうが、相手に届きやすいです。

  • 「いま、気持ちがいっぱいいっぱいなの。10分だけ代わってもらえる?」と伝えてみる
  • 「朝の支度の時間が、いちばんきついんだ。ここだけ、一緒にやってくれないかな」と、場面をしぼって頼んでみる
  • 「やり方が違っても、手伝ってくれるのは助かるよ」と、やってくれたことにまず感謝を伝える

夫・旦那にイライラしてしまうとき

「イヤイヤ期の子にイライラするだけでなく、夫の対応にもイライラする」という声はよくあります。たとえば、「子どもの相手を丸投げされている」「やり方に口を出される」「見ているだけで動いてくれない」といった場面です。

こうしたとき、相手を変えようとするより、「して欲しいこと」を具体的にして頼むほうが、伝わりやすくなります。「もっと手伝って」ではなく、「平日の夜のお風呂は、お願いしたい」のように、時間と内容を決めます。相手が悪者だと決めつけず、「ふたりの課題」として話してみてください。

夫側(パパ側)にできること

仕事で帰宅が遅く、日中の大変さが想像しにくい、という人もいます。そのうえで、次のようなことができます。

  • 帰宅したら、まず「今日はどうだった?」と聞く。アドバイスより、聞くことを優先する
  • 「全部やって」と言われなくても、休日の朝の1〜2時間を引き受けるなど、小さく決める
  • イライラしている妻(パートナー)に「そんなに怒らなくても」と言わない。まず、疲れていることを受け止める

ひとりで対応する時間が長い場合

ひとり親、パートナーが単身赴任中、夜勤などで、ひとりで対応する時間が長い家庭もあります。その場合は、ひとりで限界まで抱えないでください。市区町村の子育て支援や一時預かり、地域子育て支援拠点などを使うことは、甘えではありません。

イヤイヤ期のイライラで怒鳴ってしまったあとは

怒鳴ってしまったあと、自己嫌悪で動けなくなる人は多いです。そこから立て直す方法を、先に知っておくと、少し楽になります。

怒鳴ってしまった自分を、責めすぎない

怒鳴ってしまったことは、事実として受け止めたうえで、「また次から変えていけばいい」と考えてみてください。イヤイヤ期に1回も怒鳴らない親は、ほとんどいません。大切なのは、そのあとです。怒りすぎてしまう悩みについては、子供に怒りすぎてしまう時の対処法と謝り方でも詳しくふれています。

落ち着いてから、短く伝える

子どもの気持ちが落ち着いたあとに、抱きしめるなどして、次のように短く伝えてみます。

  • 「さっきは大きな声を出して、ごめんね」
  • 「イヤだったんだよね。でも、道路は危ないから、手をつなぎたかったんだよ」

子どもには、理由を長く説明しすぎなくて大丈夫です。「怒鳴ったけれど、あなたのことは大好きだ」ということが伝われば十分です。

怒鳴るのが続いているときは

厚生労働省の資料では、体罰や暴言などの影響として、子どもの行動や心の発達に悪影響が出る可能性が報告されていると書かれています。何度も怒鳴ってしまう、自分でも止められないと感じるときは、「自分の性格の問題」と考えず、疲れや余裕のなさがたまっているサインととらえてください。

  • 怒鳴りそうになったら、その場を離れて、別の部屋で数十秒、深呼吸をする(子どもの安全が確保できる状況で)
  • ふたりで話し合い、怒鳴りそうになる場面をなるべく夫婦のどちらかが引き受ける
  • 早めに、市区町村の子育て相談窓口や保健センターに話してみる

手が出そうなとき・叩いてしまったとき

手が出そうになったら、子どもから離れて、まず安全な距離をとってください。厚生労働省の資料では、しつけのためであっても、身体に苦痛を与えたり、不快感を意図的にもたらしたりする罰は、どんなに軽くても体罰にあたり、法律で禁止されている(2020年4月施行)と説明されています。叩いてしまったときは、ひとりで抱えず、次の「相談先」に連絡してください。親を責めるためではなく、親を支えるための窓口です。

限界を感じたときの相談先

「限界」を感じたときに、相談できる先を知っておくだけでも、心強いものです。

自治体の子育て相談・保健センター

市区町村の子育て相談窓口や保健センター、こども家庭センターでは、子育ての悩みを聞いてもらえます。乳幼児健診や、乳児のいる家庭への訪問の機会に相談することもできます。地域子育て支援拠点(子育てひろば)は、予約なしで行けるところが多いです。

児童相談所の窓口

児童相談所には、虐待の通告だけでなく、子育ての相談もできます。児童相談所虐待対応ダイヤル「189(いち・はや・く)」、児童相談所相談専用ダイヤル「0570-783-189」があります。こども家庭庁のサイトでは、18歳未満の子どもとその保護者が、子育てや親子関係の悩みを相談できる「親子のための相談LINE」も案内されています。

カップルカウンセリング・心理の専門家

「夫婦で子育ての対応が合わない」「イライラが夫婦げんかにつながる」というときは、カップルカウンセリングなど、心理の専門家に相談する方法もあります。第三者が入ることで、責め合いにならずに話しやすくなることがあります。

いますぐ助けが必要なとき

「子どもを傷つけてしまいそう」「自分の気持ちがもう限界で、消えてしまいたい」と感じるときは、ひとりで耐えないでください。すぐに、児童相談所の189、または、厚生労働省のまもろうよ こころで案内されている相談窓口に連絡してください。命の危険があるときは、119番や110番です。

気分の落ち込みや眠れない状態が2週間以上続くなど、気になる心の不調があるときは、心療内科や精神科、産婦人科などの医療機関にも相談してみてください。

よくある質問

Q. イヤイヤ期はいつまで続きますか?

一般的に、1歳半ごろから始まり、3〜4歳ごろに落ち着くとされます。ただし個人差が大きく、半年ほどで終わる子も、5歳ごろまで続く子もいます。言葉で気持ちを伝えられるようになるにつれて、少しずつ楽になっていくことが多いです。

Q. イヤイヤ期のイライラが限界です。どうしたらいいですか?

まず、限界を感じていること自体を、周りに伝えてください。ふたりで交代する、自治体の子育て相談や保健センターに相談する、一時預かりや地域子育て支援拠点を使う、など、ひとりで抱えない方法があります。

Q. 子どもを怒鳴ってしまいました。子どもに悪影響がありますか?

1回怒鳴ってしまったことで、すぐに大きな問題が起こるわけではありません。落ち着いてから「大きな声を出してごめんね」と伝え、安心できる関係を続けることが大切です。ただ、怒鳴ることが繰り返されるときは、親の疲れのサインです。自治体の窓口などに早めに相談してください。

Q. イヤイヤ期にイライラしない方法はありますか?

イライラをゼロにすることは難しいものです。時間に余裕をつくる、選択肢を示す、環境を整えて「ダメ」を減らす、深呼吸をして間を置く、夫婦で交代する、といった工夫で、爆発を減らすことはできます。

Q. 夫(旦那)がイヤイヤ期の子に怒鳴ってしまうとき、どうすればいいですか?

その場で止めに入って言い合いになるより、子どもが落ち着いたあとで、夫婦ふたりのときに話すほうが伝わりやすいです。「怒鳴るのをやめて」と責めるのではなく、「あなたも疲れているよね」と受け止めてから、「怒鳴りそうになったら、交代しよう」と提案してみてください。手が出る、子どもがおびえているといった場合は、児童相談所の189などに相談してください。

Q. イヤイヤ期がひどいと感じます。発達の問題でしょうか?

イヤイヤの強さには個人差があり、強いこと自体が問題とは限りません。ただ、育てにくさが続く、ことばの発達が気になるなど心配があるときは、乳幼児健診の機会や、自治体の保健センター、かかりつけの小児科で相談してみてください。

まとめ

イヤイヤ期のイライラは、親の弱さではなく、成長の途中の子どもと向き合うなかで、多くの人に起こることです。

  • イヤイヤ期は一般的に1歳半ごろから3〜4歳ごろまでとされ、個人差が大きい。いつまでと区切らず、少しずつ楽になる時期ととらえる
  • イライラを減らすには、時間の余裕、選択肢、環境づくり、深呼吸が有効。夫婦で交代の合図を決めておくと、限界の手前で休める
  • 怒鳴ってしまったら、落ち着いてから短く伝え、繰り返すときは自治体の窓口や児童相談所、専門家に早めにつながる

イヤイヤ期のイライラは、ひとりで抱えるものではなく、ふたりで、そして周りの力を借りて、乗り越えていくものです。

かぞくるの子育てカウンセリング

子育ての悩みや夫婦の方針のちがいを、公認心理師と一緒に整理してみませんか。

公認心理師がオンラインでお話をうかがいます。ひとりでも、ふたりでも。

コラムの一覧へ

どちらで登録しますか?

登録後、カウンセラーを選んで相談の予約ができます。あとから切り替えることもできます。

初月最大30%OFF|迷ったら、ひとりで登録しても大丈夫です。